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外国人が日本から海外送金する方法とは、またその時注意したいこと

[2022.03.24]

目次

    少子高齢化の影響もあり、多くの業種で人手不足が深刻化し、外国人を雇用する企業が増加しています。ただ、外国人労働者はコミュニケーションが円滑に取れなかったり、日本に慣れていないことから様々なリスクと隣り合わせです。労働者が犯罪に巻き込まれるのを防ぐのは雇用主の責任とも言えるため、採用後も小まめにコミュニケーションをとることが必要でしょう。
    外国人労働者にとって特にリスクになりやすいのが給与の海外送金です。

    自社の外国人労働者が母国へ給与を送金する際、犯罪に巻き込まれないためにも企業として海外送金について詳しく知っておかなくてはなりません。そこで今回は、在日外国人の海外送金の方法や注意点についてご紹介いたします。

    1.日本で外国人が海外送金することはできるの?

    外国人が日本から海外へ送金することは法律で認められている行為であり、これは日本人も外国人も同様です。ただしこれも外国人だけではありませんが、外国為替及び外国貿易法により、送金する金額によっては、「本人確認の義務」「告知書の徴求と調書の提出の義務」「報告の義務」があります。また、送金する国や地域もしくは送金を行う目的・金額により、財務大臣の許可や主務大臣へ報告が必要な場合もあります。

    1.1 銀行や資金移動業者を利用する

    日本で外国人が海外送金するには主に2つの方法があります。

    1つ目は銀行を利用する方法です。
    日本の銀行、信用金庫、信用組合、JAバンク、JFマリンバンク、労働金庫などの金融機関で口座を開設後、窓口またはインターネットで海外送金を行うことができます。
    口座開設時に必要な書類や申し込み方法は銀行によって異なる可能性があるため予め確認して申し込むようにしましょう
    2つ目は資金移動業者が運営する海外送金サービスを利用する方法です。
    資金移動業者とは、銀行や信用金庫などの金融機関以外で海外送金を行なっている業者で、銀行口座を持たなくても送金が可能な場合もあります。
    業者によってサービスの特徴が異なるため自身の要件に合わせて選定するようにしましょう。

     

    2.外国人による海外送金の利用件数が増加傾向

    外国人による海外送金の利用件数は年々増加傾向が見受けられます。その最大の理由は外国人労働者の増加です。厚生労働省の調査によると、2019年時点での外国人労働者数は約166万人。前年同期比13.6%増で、平成19年に届出が義務化されてから過去最高の数字です。少子高齢化は今後、今まで以上の速度で進んでいくため、海外送金の利用件数もさらに増加すると予測できます。

    また、資金移動業者の数が増えていることも海外送金の利用件数増加が見受けられるのに大きく影響していると考えられます。2021年1月31日時点では、金融庁から登録を受けている資金移動業者は80社ですが、2019年6月は64社でした。もちろん、資金移動業者は海外送金サービスの運営のみにとどまるわけではありませんが、外国人労働者・外国送金の利用件数に増加傾向が見受けられるのは資金移動業者が増加していることが一つの要素ともいえるでしょう。
    参考:資金移動業者登録一覧

     

    3.外国人が使える海外送金サービスの種類

    ひと口に海外送金と言っても、その方法はさまざまです。特に銀行ではなく資金移動業者が提供するサービスを使って海外送金を行う場合、主に次の4つの方法があります。

    3.1 口座引き落とし型

    口座引き落とし型とは自身の銀行口座から資金移動業者の銀行口座を経由して海外へ送金するサービスです。三井住友銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行など主要な銀行の口座から行えるものもあるので、新しく口座を作成せずとも海外送金が可能になります。

    それに口座引き落とし型は手数料が安い傾向があります。
    資金移動業者ではなく銀行が運営する海外送金を利用する場合だと、入金する銀行、受け取る銀行や中継となる銀行への手数料も発生します。他にも、送ったお金を送金先の国の通貨に両替する際にかかる手数料など、多様な手数料が発生します。
    口座引き落とし型の代表的なサービスとしては、Wise(旧名称TransferWise)があります。Wiseでは、現金を移動させず、受取先の国にある銀行口座から現金を引き落とすタイプの海外送金サービスです。そのため、両替手数料がかからず、手数料の低減が可能です。
    参考:Wise

    3.2 ATM型

    ATM型とはコンビニなどに設置されているATMから海外送金を行えるサービスです。銀行は通常、平日午後3時までの営業のため、平日日中に仕事をしている場合だと今すぐに送金したいと思ってもなかなか時間が合わない場合があるので大変便利です。ATM型の代表的なサービスはアメリカに本社を持つWestern Unionで、約200か国へ送金ができます。特にコンビニを使った海外送金では、セブンイレブンやファミリーマートと提携しており、原則24時間365日、いつでも送金が可能です。
    参考:WesternUnion

    3.3 オンライン送金型

    オンライン送金型とはインターネットで海外送金を行えるサービスです。
    仕事内容や時期によっては、コンビニや銀行に行く時間もなかなかとれないけど、インターネットに接続できる環境にはいるというようなケースもあるかもしれません。
    例えばPayForexでは、ユーザー登録から審査、口座開設、送金というような作業をすべてオンライン上で行えます。また、Western Unionと同様、世界200以上の国や地域にある銀行口座へ送金可能なため、手元のスマートフォンでより手軽で迅速に送金をすることも可能となります。
    参考:payforex

    3.4 口座不要型

    口座不要型とは、送金されたお金を受け取る際の口座が不要なサービスです。
    外国から労働者として訪日する人にはさまざまな事情があり、中には紛争地域から来る方もいれば、貧困な家計を支えるために来る方もいます。たとえ母国に送金したとしても、受取人が簡単に銀行へは行けなかったり銀行口座を持っていなかったりと、お金を受け取ることが容易ではない状態であることも少なくありません。

    そこで口座不要型では、受取人が送金されたお金を受け取る際、指定の窓口で受け取れるため問題ないでしょう。
    口座不要型の代表的なサービスは、enRemitとWestern Unionです。enRemitは世界200ヵ国、約35万の拠点がある大手の資金移動業者、MoneyGramと提携しているため、受取側に銀行口座がなくても、現金を受け取れます。
    Western Unionも、前述した通り世界200ヵ国以上の国や地域に送金が可能で受け取りは全世界48万か所以上ある取り扱い店で行うことができます。
    参考:enRemit
    WesternUnion

     

    4.海外送金サービスの選び方のポイント

    前項で説明したように、資金移動業者の提供する海外送金サービスにはさまざまなタイプがあり、タイプによってメリットが様々です。
    そのためここではメリット以外に海外送金サービスを選定する際のポイントを2つご紹介します。

    4.1 認可を得た資金移動業者

    大前提として海外送金サービスを使う場合、その業者が間違いなく資金移動業者として金融庁で登録を受けている必要があります。未登録で資金移動を行なっている業者は、そもそも違法であり犯罪です。
    それに資金移動業の登録を受けていない業者だと、登録を受けている資金移動業者よりも安い手数料で海外送金ができるケースが多く、何も知らないとつい利用してしまいがちです。万が一のリスクを避けるためにも、雇用者として従業員が犯罪に巻き込まれないため、正しいサービスを利用するよう指導するとよいでしょう。

    4.2 送金手数料

    海外送金の手数料はサービスを提供する資金移動業者によってさまざまです。コンビニやATM、オンラインなど様々な方法で送金ができるといった観点だけで選択すると、思いのほか手数料がかかってしまう場合があります。
    自分が主として利用する方法で送金ができるかどうかと同時に、手数料はどれだけかかるのかもしっかりとチェックしましょう。

     

    5.外国人が海外送金する場合の注意点

    外国人労働者の多くは日本語を話せたとしても、細かいニュアンスがわからなかったり、漢字を読むことが苦手だったりするケースは少なくありません。そのため、日本人でも特定の人以外はあまり利用する機会のない海外送金について、一からすぐに理解することは困難です。そこで雇用者として知っておくべき、海外送金の注意点についてお伝えします。

    5.1 100万円以上は通達が届く

    日本から海外へ送金する際、1回に100万円以上の送金をすると取扱銀行から税務署へ報告が行われます。なぜなら金融機関には100万円以上の資産が動く場合、必ず税務署に報告しなければならない法律(国外送金等調書制度)があるからです。これは銀行で送金しても、資金移動業者で送金しても変わりません。

    もちろん、外国人労働者が自分で稼いだ現金を送金するのであれば、税務署へ報告があったとしても問題はありません。ただし送金を行なった後、税務署から海外送金を行なった理由、目的、申告漏れがないかどうか、贈与かどうかなどの回答を求める調書が届きます。これに的確に回答しないと送金が認められなくなる場合もあります。
    そのため雇用者としては、どう対応すればよいかを確認しておき、外国人労働者に対して指導をしておくとよいでしょう。

    5.2 サービス対象内の国であっても送金できない可能性アリ

    海外送金はサービス対象内の国や地域であれば、そこへ送金できることが基本です。
    しかしサービスによっては、送金された現金が犯罪組織やテロ組織の資金になることを防ぐためなどの規制や規定により送金ができない国や地域があります。

    代表的な例としてOFAC規制があげられます。
    OFAC規制のOFACとは、アメリカの財務省外国資産管理室の略称です。
    このOFACが外交政策・安全保障上の目的から、アメリカが指定する国や地域または特定の個人・団体に対し、取引の禁止や経済制裁措置を行なっていることをOFAC規制といいます。
    OFAC規制はアメリカが行なっている規制のため、米ドル建取引やアメリカの金融機関などが関与する取引にも適用される可能性があります。つまり、アメリカに本社を持つ資金移動業者を使って海外送金する場合もこれに該当する可能性があるのです。
    主な制裁対象国は、イラン、イラク、リベリア、リビア、レバノン、ソマリア、キューバ、スーダン、シリア、北朝鮮、ミャンマー、クリミア地方などの国や地域、または個人と組織が挙げられます。(変更される可能性あり)
    もし、自社で雇用した外国人労働者がこれらの制裁対象国へ送金を検討している場合は、アメリカ資本以外であったり、米ドル建以外で送金ができる海外送金サービスを選択する必要がある旨を伝えるとよいでしょう。
    参考:OFAC規制対象国

    5.3 仕送りは贈与税の対象

    海外送金をする目的が、借金の返済や海外との取引であれば問題ありません。しかし、外国人労働者が家族へ仕送りとして送金した場合、贈与とみなされる可能性があります。もし贈与となった場合、送金額によっては送金手数料のほかに、贈与税の支払い義務が生じます。しかし、知らないまま送金すると脱税になってしまうので注意が必要です。

    5.4 本人確認は一度だけとは限らない

    2016年10月1日、「犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律」が施行。これにより、個人が海外送金を行う場合はすでに本人確認済みであっても、本人と特定する事項(氏名・年齢・生年月日)、取引の目的、職業、外国PEPs該当の有無などを再度確認される場合があります。もし取引時にそれらの確認がとれないと、海外送金を断られてしまう可能性もあります。そのため常に、本人確認ができるものを携帯しておくようにしましょう。

    5.5 犯罪に巻き込まれないように指導しておく

    海外送金サービスを選択する際、必ず資金移動業者として金融庁の登録を受けた業者を選択すべきと説明しました。それは未登録の資金移動業者が違法であると同時に、違法である業者が運営するサービスを利用することで自らも犯罪に巻き込まれてしまうリスクがあるからです。
    例えば、未登録の資金移動業者がマネー・ロンダリング目的で、「受け取った現金を送金サービスに振り込むことで収入を得られる」といって犯罪に加担させられてしまうケースがあります。自社で雇用した外国人労働者が犯罪被害に遭わないためにも、しっかりと指導するようにしてください。

     

    6.まとめ

    外国から日本へやってきた労働者、特に母国に家族を残してきた方にとって、海外送金サービスは欠かせないサービスの一つです。しかし、使い方や業者の選択を間違えてしまうと、不要に手数料をとられたり、場合によっては犯罪に巻き込まれたりというようなリスクが生じます。

    まだ日本のことをしっかりと理解しきれていない外国人労働者をさまざまなリスクから守るのは、雇用者の責任です。人手不足解消というような自社のメリットだけを考えるのではなく、雇用した以上は無用なトラブルを防止できるように努めましょう。

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